データウェアハウス向けの高性能、そして高価なアプライアンスを提供するベンダー、そういうイメージがいまだテラデータにはある。しかしながら今は「Think Big Analytics」を2014年に買収しアナリティクスのコンサルティングサービスを強化し、それが同社のビジネスの大きな柱となっている。またテラデータのハードウェアを前提とせずにさまざまなクラウドプラットフォームで、あるいはテラデータ以外のハードウェアの上でもテラデータのソフトウェアを活用できるようにする「Teradata Everywhere」の戦略も打ち出している。これら戦略はによる新生テラデータは、2016年5月にCEOに就任したビクター・ランド氏がリードしている。Teradata Universe Tokyo 2018のために来日したランド氏、チーフ・オペレーティング・オフィサーのオリバー・ラッゼスバーガー氏、さらにはエグゼクティブ・バイスプレジデントで日本を含むインターナショナル担当のピーター・ミケルセン氏に、変革するテラデータの最新戦略について話を訊いた。
変革のために営業チームを再編し、Salesforceも活用する

チーフ・オペレーティング・オフィサーのオリバー・ラッゼスバーガー氏、
CEO ビクター・ランド氏、
エグゼクティブ・バイスプレジデント インターナショナル担当 ピーター・ミケルセン氏
Q:テラデータではTeradata Everywhereの戦略を推進することで、高価なアプライアンス提供だけでなくパブリッククラウドでのテラデータのソフトウェア活用などを進めています。その際には、サブスクリプション型のライセンスの提供も始めています。サブスクリプション型では初期のライセンス収入が小さくなることもあり、当初は売り上げが一時的に下がりましたが3年ぶりに四半期売り上げも上昇に転じたとのこと。このようなアプライアンス主体のビジネスからの変革で、テラデータの営業担当のマインドチェンジなど、内部メンバーのトランスフォーメーションは順調ですか?
ランド氏:営業担当のトランスフォーメーションは順調に進んでいます。アカウントチームを新たに組織し、営業担当自身が新しい戦略のもとで顧客にどう対象すれば良いかを考えられるようにしています。一方で新たな営業トレーニングも開始し、こちらはトップダウンの形で実施しています。アカウントプランニングという顧客視点に立ったプロセスで考えるトレーニングを行っており、顧客のビジネス要求は何なのかを特定して、そのためにテラデータでは何ができるか考える訓練をしています。
またSalesforce.comのツールを使い、営業担当のトランスフォーメーションの進捗状況を見える化することにも取り組んでいます。Salesforceのツールでは、担当するインダストリーが異なる組織間で営業方法を共有するなども行い、より顧客を理解できるような工夫も行っています。こういった取り組みで、全ての組織が活性化しています。その結果として、社員が新たに自信を持つようにもなっています。
とはいえ企業のトランスフォーメーションは、終わりのない旅のようなものです。まだまだ時間がかかるところもあるでしょう。
ミケルセン氏:ほとんどのトレーニングは効果を発揮していますが、もちろん一部ではそれほど上手くいかないものもあります。上手くいかなければ組織に新たに手を入れることもあります。また営業のトランスフォーメーションについては、連携するコンサルティングの組織も重要です。コンサルティングを強化するためには、業界に特化していて顧客の経営からサポートできるコンサルタントや、よりデータを活用できるようにするためのデータサイエンティストなどの人材を増員しています。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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