大同火災海上保険では、トラブル削減やシステムリスクコントロール全般の高度化、システム部門の強化に取り組んでいる。運用管理のポイント、これからの情報システム部門が目指す姿について情報システム部長の島田氏が語った。
IT部門の使命はシステムリスクを顕在化させないこと
島田洋之氏はこれまで、東京海上日動火災におけるシステム運用管理の導入によるシステム業務運用の可視化、成熟度の向上などに取り組んできた。2009年7月から、沖縄に特化して活動している大同火災海上保険にて同様な取り組みをしている。大同火災の事業規模を全国型・均質型の東京海上日動と比較すると、約100分の1だという。

島田氏がキャリアをスタートした約30年前はホストコンピュータを中心とした大量定型反復処理機の時代。現在、東京海上日動のシステムはサーバーが1200台、端末は社内3万台、提供している代理店ネットワークの先には約50万台の端末がある。
トランザクションは月間2億件だ。打ち出している紙の量も膨大で、月間2500万枚、年間で3億枚にも及ぶ。社員スタッフは開発系が約800名、運用系が約250名在職している。加えてパートナー企業の開発系3~4000名、運用系1000名程度の協力を得て、総勢5~6000名の体制でシステムを回している状況だ。大同火災では、その100分の1程度のメンバーが、開発、保守、運用を担当している。
保険ビジネスのシステムへの依存度は高く、システムリスクはそのまま経営リスクにつながる恐れがある状況だ。そこでIT部門、特に運用部門の使命は、「システムリスクを顕在化させない」にあると言える。リスクとはつまり、システムのダウン、誤動作、セキュリティ対策の不備等により被る被害などだ。
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