
アシストでは2001年からクライアント仮想化製品としてCitrix製品の取り扱いを始め、すでに550社の導入企業がある。「実績は多いが課題もありました」と語るのは、アシスト システムソフトウェア事業部 仮想化推進室 室長の高木季一氏。どうしても価格が高くなり、環境も複雑化してしまう傾向があったようだ。よりシンプルで導入しやすいクライアント仮想化ソフトウェアがないか。さまざま調べ上げた結果、扱うことになったのがイスラエルのEricom Software社の製品だった。
クラウド時代に求められるVDIの新たな要件

アシスト
システムソフトウェア事業部 仮想化推進室 室長
高木 季一氏
クライアント仮想化の環境では、従来であればWindowsのアプリケーションが稼働し、オフィス内の決められた場所にある固定的な端末でそれを利用できればよかった。求められるセキュリティレベルも、オフィス内のネットワーク環境を想定すれば十分だった。それが昨今のクラウドの時代になり、オンプレミスにあるアプリケーションだけでなくクラウド上にホストされたアプリケーションを動かしたい、場所とデバイスを問わずに利用したいといった新たな要求が出てくる。当然ながら、そういった利用状況に合わせたセキュリティレベルも求められる。
アシストでは、2012年からイスラエルのEricom Software社の製品の国内提供を開始し、ソフトバンクモバイル、インターネットイニシアティブ、TISなど、すでに160社の顧客に導入されるに至っている。Ericomの製品はライセンスコストの削減につながるServer VDIをサポートし、2014年からはChromebookの日本語版にも対応しているなどの特徴がある。
Ericom Softwareでは、2005年からクライアント仮想化製品の提供を開始し、2011年にはHTML5のテクノロジーを用いた新しい製品をリリースした。これにより、WindowsだけでなくMac OSXなどあらゆるデバイスのクライアント仮想化に対応できるようになる。
今回の新製品となる「Ericom Connect」は、従来製品の後継版に位置するが、新たにグリッドアーキテクチャを採用した。それにより、エンタープライズ向けでクラウド時代のクライアント仮想化の要求に対応する、高い拡張性と高性能を持った製品となっているとのこと。「Ericom Connectを使うことでよりモバイルフレンドリー、クラウドフレンドリーなクライアント仮想化を実現できます」と、Ericom SoftwareのChairman and Chief Architectのエラン・ヘイマン氏は言う。

Ericom Software
Chairman and Chief Architect
エラン・ヘイマン氏
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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